本日の一冊
  • 08月02日の本

    よしもとばなな『海のふた』(中央公論新社)

    ⁄ ⁄ スタッフレビュー

    毎年夏が来て、蝉が鳴いて、雲が大きくて、虫もたくさん、そしていつの間にか半袖を着なくなり、日も短くなる。そんなルーティン上の季節の経過を、夏が苦手な私は甘んじて受け入れていましたが、この本を読んでから、見方が変わった気がします。資産家の大好きなおばあちゃんが亡くなり、療養をするため島に来たはじめちゃんと、それを迎えるかき氷屋さんのまりちゃん。はじめちゃんは大切な人を亡くした悲しみに暮れながらも、両足で踏んばって、目を見開いて感じとれるものをすべて吸収しようとする子だと感じます。柳の揺らぎ、夜光虫の光、約束せずとも集まる魚たち。まりちゃんの言葉には、夏を楽しむヒントがかくれています。人生で一度の今年の夏のおともに是非!(日)

  • よしもとばなな『海のふた』(中央公論新社)

    よしもとばなな『海のふた』(中央公論新社)

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